博士の愛した数式

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

気分転換にと、本棚に長く読まずに置いてあったこの本を読んでみた。とても久しぶりの小説で、時間が経つのを忘れて読めた。

素数とか友愛数とか話の序盤から出てくるのだけど、終盤に突然出てきたあのオイラーの等式が気になる。

e^{i\pi}+1=0

これは、オイラーの公式
e^{ix}=cosx+isinx

のxに\piを代入し、両辺に1をプラスして求めることができる。
さて、このオイラーの等式は、家政婦と未亡人との揉め事をピタリとやめさせたわけだが、僕にはその理由がさっぱりわからなかった。その後にも話の中では答えは出てこなかったと思う(少なくとも僕にはわからなかった)。とまあ、無知な僕が考えても仕方ないので―

しかし、この何とも言えない喪失感は何だろうか。読んでる最中は早くエンディングを迎えたくて仕方がないのに、読み終わった瞬間から胸に詰まる、感動とはまた違うような苦しさがくる。これが良いと言えばそれまでだが、毎度来るこの気持ちはなかなか耐えがたい。