ハナミズキを見て、新垣結衣に共感した

 昨日、映画『ハナミズキ』を見に行ってきました。CMを見る限りでは、もっと恋愛ものを想像していたんですが、見てみるとそうでもない。っていうか、そうでもなくてよかった。むしろ、僕は人生について考えされられるところがありました(そういう見方だから、感動できなかったとも言える)。普通こういうときって、男なら男側の主人公(生田斗真)に、女なら女側の主人公(新垣結衣)に感情移入して考えてしまうところですが、今回は新垣結衣側に感情移入してしまいました。あんまり言うとネタバレってことになりかねないのでアレなんですが、より高みを目指す学生は彼女の気持ちっていうのが少なからず分かるのではないかと思います。
 僕の立場で話をすれば、今はルーティーンワークとして研究したり勉強したりプログラム書いたりとかしてるわけですが、これって何のためにしているのかあんまり考えてなかった。そりゃ、良い研究ができるようになりたいとか、いい会社に勤めたいとかそういう表面的な目標は常に有るわけですが、そうじゃなくてもっと深い、根源的な目標のこと。簡単にいうと、「どんな人生を歩みたいのか」。
 この設定が実は大事だというのは、多分、この2冊でも言っていると思う。一冊は「理系のための研究生活ガイド」。

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版 (ブルーバックス)

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版 (ブルーバックス)

この本の一番最初の方で、

価値観(value)は人によって全く異なる。(中略)だから研究を続けるにあたって、もっと極論すれば、これからの人生を生きていくにあたっては、何が自分の価値観なのかをきっちりしておく必要がある。(pp.15)

とある。この本は研究者になることを前提に話があるので、研究を手段にどんな人生を送りたいのかということを考えろと言っているが、僕は別に手段は何だって良いと思う。自分の価値観が満たされる仕事や生活を求めていくことが重要だと思う。

 もう一冊は、最近韓国出張の際に移動時間に読んだ、「もしドラ」こと「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」である。

この本では、ドラッガーは組織の定義付けが重要だと言っている、と言っている(ややこしい)。

 あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である。(中略)
 自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと思われるかもしれない。鉄鋼会社は鉄を作り、鉄道会社は貨物と乗客を運び、保険会社は火災の危機を引き受け、銀行は金を貸す。しかし実際には、「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。分かりきった答えが正しいことはほとんどない(二三頁)pp.25

そして、みなみは高校野球部という組織を「顧客に感動を与えるための組織」と定義付けたのである。ここで、顧客は親や学校や観客であり、野球は彼らを感動させるための手段に過ぎない。

 どちらの本においても、表面的な目標(例えば、良い研究がしたいとか、野球が強くなりたい)を考えるよりも前に、根源的な目標(何のために研究がしたいのか、何のために野球をやるのか)について追求すべきだと言っている。僕もそう思う。特に、昨日はそう思った。それは、一番大好きな人と楽しく暮らしたいという倖田來未的な感じでもいいと思うし、世界中を飛び回ってアクティブに活動したいっていうのでも良いと思う。とにかく、その根源的な目標を決めてそれに向かって手段を選んでいく(もしくは、無理やり理由付けする)ことが重要な気がしています。
 

 本当ははXperiaについて何か書こうと思っていたのですが、話の枕で終わってしまいました(^^;